DIP(ディップ)ファイナンスへの期待
「アメリカでは債務者が再建型手続(いわゆるチャプター・イレブン)にはいると、手続前の債務は自動的に凍結されるため、その債権者は手続前の債務者とは別の「無借金」債務者になり、しかもそうした債務者に対する与信は一定の条件のもとでは超優先性(super priority)が認められて、日本でいう共益債権よりさらに優先性の高い地位を与えられる(場合により担保もとってよい)ので、こうした与信を行なう金融機関は少なからず存する。何よりも既存取引金融機関が、相当の利率で真っ先にそうした与信(defensive DIP financing)を行なう。そうしなければ第三者によってそうした与信がなされて、債務者を監視する機会や収益を挽回する機会を喪失するだけのことだからである。」(NBL2001.8.1号での田作朋雄氏の巻頭言より)
民事再生法等で再建を目指す中小企業にとっての大きな壁のひとつに、その後の銀行取引があります。民事再生申請と同時にそれまでのメインバンクすらも資金をだしてくれなくなるのが普通です。以前からの融資とは違って、その後の融資は共益債権となりますので本来は安心な融資なのです。しかし、金融機関は貸してくれません。この記事を読むと「アメリカはいいな…」、と思わず愚痴もでてしまいます。日本でも商工中金等の公的金融機関がこのような融資(「DIPファイナンス」といいます)を制度的には始めているようです。
民事再生法下の企業(フットワークエクスプレス)に対してメインバンクでない金融機関が運転資金20億円供与という実例について、「銀行法務21」2001.8月号の「富士銀行のDIPファイナンス実行事例」という記事があります。破綻大企業ばかりでなく破綻中小企業にも資金供与いただけるといいのですが。


